詐欺?直接面談できる情報商材20万円買ってみたらこうなったというお話




今から7年前の冬、ぼくはそわそわしながら”その人”がくるのを待っていた。

待ち合わせ場所として指定された、都内にある某高級ホテルのラウンジにて。

 

ぼくはとても委縮していた。

そもそもこのラウンジ自体は本来、とてもじゃないが自分のような人間がいられる場所ではなかった。

重厚感と高級感の塊のような高貴な空間。メニューに目をやれば1杯1,200円もするコーヒー。まわりを見渡せば、貴婦人とか実業家とか、自信とか余裕しかにじみ出ていない成功者たちばかりのように見えた。

当時、転職3回・全財産120万円・28歳の契約社員・社会不適合のぼくにとって、ここが明らかに不相応な場所であることは分かっている。

(実際に待ち合わせした場所↓)

 

まあ、でも、そんなことはどうでもいい。

 

なんせ、この情報商材を買うために上京した今日、まさにこの日から、ぼくの人生は変わるのだから。

SOHTARO
ネットで月数十万稼げるようになって、鼻クソみたいな給料しかもらえない会社なんかさっさと辞めて、居候してる肩身のせまい実家ともおさらばして、PC1台で第二の人生を謳歌してやるのだ・・・!!

そんなファンタジックな未来を脳内で描きつつ、ぼくはその情報商材にすべてを賭けていた。

銀行口座から引き出した、なけなしの20万円を握りしめて。

そしてついに、”その人”はやってきた。

 

ぼくが20万円の情報商材を買うに至った経緯

2012年の当時、某運送会社の契約社員として働いていたぼくは、もがいていた。

もともとは工学系の大学院まで出て、機械エンジニアとして製造メーカーに就職。しかし人間関係などに悩み3年で退職。そのあたりの経緯はこの記事に書いたとおりだ↓

うつ病で退職。農業に転職した負け組・理系院卒の人生を変えたXデー

2017.01.11

 

で、辞めたあとは、羊飼い1年やったけどそれも辞めて、運送会社で契約やりながら日銭を稼いでいた。ちなみに当時は結婚1年目。嫁さんを養えるほどの経済力はなく、仕方なく実家に転がりこんだ。

SOHTARO
このままだとヤバイかも。

もちろん転職して給与収入アップは狙っていく。しかしそれ以外の収入源も作りたい。マルチインカム化してバックアップを何個も持っておきたい。最悪、何らかの事情で働けなくなってしまっても生きていけるように。

当時はそうやって、常に本業以外でお金を稼ぐ方法を考えていた。

FXやヤフオク転売もやってみた。しかしどれも自分の性にあわないのか続かない。そんなときに、藁にもすがる思いでググっていたときに見つけたのがそう、この情報商材だった。

 

玉石混合。

星の数ほどもある、玉石入り混じる商品群のなかから、20万円もするこの商材に惹かれたのには理由がある。

(数か月後、この商材を買ったことを後悔するが、典型的な情報弱者だった当時のぼくにその判断ができるわけがなかった)

「直接面談して指導・助言」「サイトデザインと立上げは代行」

今こそ月に10万円ほどWEBサイトで稼げるようになった我家だが、当時は、サイトで稼ぐといっても一体なにからはじめていいのか全く分からない状態だった。五里霧中ってやつだ。

だから右も左も分からないド素人であるぼくにとって、この商材はまさに「神のような商材」だった。

 

情報商材にありがちな、マニュアルを売りつけたら「はいサヨナラ」ではなく、直接作者と会ってビジネスの詳細を聞くことができる、そして購入後のメールサポートも充実しているようにみえた。

しかも、素人にとって難易度の高いサイト立上げ作業を代わりにやってくれるというではないか。

つまり客は、サイトの中身だけを淡々と作成すればいいらしい。

その作業はルーティンであり、すきま時間でできて、やればやるほど収入につながるらしい。

そしてうまくやれば3か月で月10万、さらに半年で50万も可能とか、当時のぼくにはヨダレが出てきそうなほど魅力的な訴求ワードが、セールスレターには並べられていた。

 

これしかない。そう思った。

 

直接面談。商材の中身はアドセンスマニュアルだった

商材の中身、すなわちどんな作業をしてどのような仕組みでお金を稼ぐのか、その肝要な部分は対面するまで知らされていない。

作者と面談して、その説明を受けてから、自分の判断で購入を決めることができる。もちろん「今回はちょっと・・・」ということなら辞退することも可能だ。

 

さて、話を戻そう。

ついに、待ち合わせ場所に”その人”、つまり商材の作者があらわれた。そう、ぼくはこれからこの人と面談するのだ。

歳は30前後だろうか。思ったより若そうな兄ちゃんだ。

外見は意外だった。カジュアルな服装はいいとして、寝グセぎみの乱れた金髪、乾いた表情で笑顔はなく、徹マン明けのようなドロドロと濁った目をしていた。正直、購買意欲が一気に80%くらい冷めた。

年間数千万も稼ぐネットビジネスの成功者というのは(自称なので真偽は不明だが)、中身はともかく、せめて外見くらいはもう少し整えてくるものと思っていたが、ぼくの勝手なイメージはあっさりと裏切られた。

SOHTARO
なんだこいつは・・・めっちゃ胡散くせーじゃん(笑)

それがぼくの第一印象で素直な気持ちだった。

 

挨拶もそこそこに、さっそく本題に入り、用件だけを早口でしゃべり始めた。その口調は、つい先日、投資詐欺をもちかけてきた電話口のあんちゃんを彷彿とさせた。

トークは理路整然としており、無駄は一切なく、何人もの客相手に同じセリフを吐いてきたのだろう、非常に洗練された分かりやすいセールスに仕上がっていた。

(金髪兄ちゃんが紙に書いて説明してくれた内容①↓)

 

試しに「なぜ会社員ではなくネットビジネスという職業を選んだのか」と尋ねると「うーん、そっちの方が性に合ってたからじゃないですかね」と端的な答えが返ってきた。

ぼくの質問タイムはそれで終了し、再び商材の話に戻された。

彼の人間力とか生き方を参考にして、購買動機とモチベーションにつなげたかったが、かえってその質問は逆効果だった。彼や商材への不信感が増しただけだった。

 

さて、肝心の商材の正体は「グーグルアドセンス」だった。

その手法は、ひたすらサイト(記事)を量産してPVを集めて、読者に広告を踏ませることで広告収入を稼ぐというものだ。

(金髪兄ちゃんが紙に書いて説明してくれた内容②↓)

 

正直ぼくは落胆した。

アドセンス自体は何ら目新しい手法でもないし、ぼく自身もその存在を以前より知っており、そう易々と大金を稼げるわけがないことは分かっていた。

まさか「商材の正体はアドセンスじゃあるまいな・・・」と一抹の不安はあったが、それが現実になってしまった。

 

しかし結局、ぼくはその商材を買った。

飛行機代まで払って東京まできて、まさか手ぶらで帰るのは悔しかったし、なによりこの20万の商材があれば人生変えられる!みたいな、ある種の信仰心にも似た怪しい気負いがあった。

自分の思い描いていた理想の仕事・収入から乖離していた現実に焦りを感じ、それをなんとかして打開したかった。

SOHTARO
とりあえずやってみて、ダメならまた考えるわ。

 

結局この情報商材でいくら稼げたのか?

こうしてぼくは購入したマニュアルに沿って作業に取り組み始めた。

やることはパソコンのメモ帳にひたすら記事を書いて、それがたまったら金髪兄ちゃんに送って、サイトとして立ち上げてもらうというもの。

最終的にジャンルの違う5サイトが出来上がった。各サイトに40記事くらいずつ投下しただろうか。

ここまでくるのに3か月という時間を費やした。ぼくは作業速度が遅かったため、Nには「もっとスピードをあげろ」とケツを叩かれた。

 

でもはじめてアドセンス収入が発生したときはやっぱり嬉しかった。

たかだか数十円の収益だったが、自分の書いた記事が資産となり、自動でお金を稼いでくれた。本業以外の収入源が欲しくてたまらなかったぼくにとって、それは夢にまでみた瞬間だった。

SOHTARO
嬉しくて感動するってこういうことなんだな。

 

結局これらの5サイトで稼げた広告収入は、累計で約3万円ほどだったと記憶している。

需要がなかったためか、クオリティの問題だったのかはわからないが、PVも収益も、理想値にはほど遠い結果であった。

商材を購入してから9か月後には作業意欲を喪失、作った5サイトも完全に放置し、3年後にすべてのサイトを閉鎖した。もちろんこの手法によるビジネスは今はやっておらず、金髪兄ちゃんとの連絡も一切とっていない。

 

ということで、この商材の投資対効果としては、20万円支払って3万円の収益となった。

投資した金額はまったく回収できていない。

つまり”惨敗”だった(笑)

 

大切なのはいくら稼ぐかよりもどう稼ぐか

まあ結果的には失敗に終わったわけだが、決して今でも、商材のビジネスモデルそのものが悪いとは思っていない。

商材が悪いのではなく、自分がそのビジネスモデルに向いていなかった。それだけのことだ。

 

金髪兄ちゃんから「文字数が多すぎる」だの「作業スピードが遅い」だの注文されるのが全くもって気に入らなかったし、自分で写真やイラストを挿入したりサイトデザインを変更することがほぼ不可能だったことは、ぼくにとって致命的だった。

人が作ったルールやデザインでしか、サイト運営できない状況は、吐き気がするくらいつまらなかったし、また苦痛な時間でしかなかった。

自分好みのサイトを自由に作って、自分のやり方で収益化したい。

作業していくうちにそういうことをよく考えるようになっていった。

 

ちなみにさっき、その商材の販売ページを探してみたが、見つけることはできなかった。閉鎖したのかもしれない。

まあいずれにしても今の時代、あのやり方じゃ稼ぐのは難しいだろう。

参入者も格段に増えた。昔みたいに、とりあえずコンテンツ量産&最低限のSEOしときゃ集客できるような甘い時代ではなくなったことは、弱小ブロガーの自分でも分かる。

 

その商材に20万円の対価はあったのか?

20万円の情報商材を買って分かったこと。

所詮、商材なんてものは他人のやり方なんだってこと。

こういう事例もあるんだなぐらいの参考情報だと思っておいたほうがいい。その手法が買った本人にハマる保証は一切ないのだから。

結局のところ、成功パターンとか稼ぐための法則は、人や時代によって変わるから、その答えは自分で見つけるしかない。

商材は門戸にすぎない。

 

20万円はたいてあの商材を買ってから7年が経った。

現在はワードプレスを活用して自由自在にブログ運営しており、さっき確認してみたら、アドセンス収益も通算100万円を超えていた。

商材のノウハウ自体は自分にとってはゴミだったが、そのおかげで「自分が理想とする発信方法とか稼ぎ方」を見つけることができた。

そういう意味では、そうだな、、、2,000円くらいの対価はあったかもな。

 

まあ色々書いたが、ぼくをネットビジネスの門戸に立たせてくれたのは、あの金髪兄ちゃんだったと素直に思う。

今度どこかでバッタリ会ったら一言礼くらいは言えるだろう。



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